【毎週月曜日更新】意味が解ると怖い話【読解力を鍛える】
今日はいつもと趣旨を変えて意味が解ると怖い話を出したいと思います。どこに怖いポイントが隠れているのかを見つけてみましょう。
最近、近所で 連続殺人事件が起きている。
被害者は全て同じ小学校の子供。
その犯行はとても残虐で、死体は見るに耐えない カタチになっているという。
事件現場に供えられた沢山の花。
しかしその中にクローバーが大量に供えてある。
他の現場でも必ずクローバーが大量に供えられている。
どうやら、あるお婆さんが供えているらしい。
歳は80といったところだろうか。
とても温厚そうなお婆さん。
涙は見せず、優しい笑顔で 花を供え、手を合せて帰っていく。
お孫さんなのだろうか。知り合いの子供さんなのだろうか。
私も花を供えにと思い現場へ向かうと、 ちょうどそのお婆さんと会った。
お婆さんはいつものようにクローバーを供えている。
「何故クローバーを供えているんですか?」
「クローバーって、四葉とかあったりして幸せな花じゃない? 向こうでも幸せにしてほしいって意味を込めてるのよ。」
そう答えるお婆さんは、とても優しい目をしていたが、 時折切ない表情も垣間見えた。
「実はね、私の孫も亡くなってしまったのよ。 別の事件なんだけどね。詳しい事はまだわかって いないらしいんだけどね。この殺人事件で亡く なった子達、孫ととても仲良くしてくれてたらしいのよ。 だからこうして、全員にクローバーを供えているの。」
涙しながらそう話すと、お婆さんは その場を去っていった。
こんな優しいお婆さんも いるんだなという思いにふけりながら帰宅した。
【答え】
この文章を読むと主人公の主観が入っているため、孫を亡くした可哀そうな優しいお婆さんという印象を受けます。
本来の読解では、きちんと書かれていることを読み取ることが大事です。
したがって、この印象を受けた人は正しい読解ができてるといえます。
しかし、『書かれていることを正しく読み取る』ことが大事なのです。そのためには、語彙力や知識が必要となる場合もあります。
例えば、クローバー、白詰草の花言葉は葉っぱの枚数で意味が異なります。
四つ葉のクローバーは『幸福』で、確かにおばあさんの言っていること合っている言えます。
けれども、ここでは三つ葉のクローバーが主にお供えされていると思います。(四つ葉だけを探して大量にお供えしているとは考えにくいので)
三つ葉だと花言葉は『約束』『復讐』です。
このことから、お婆さんが「死んでしまった孫の復讐をしている」と読み取ることができ、この連続殺人事件の犯人はこのお婆さんと考えることができます。
この様に知識を知らないと読み取りにくい部分がある読解も多々あります。
「顔が熱い」「肩をすくめる」など動作を表す感情が特にそうです。その行動が何の感情を表すのかを考えることも大切ですが、ある程度こういう感情なんだろうなぁと予想できた方が、読解が速くなります。
そのためにも、いろいろな文章を読んでこの時の感情は何だろう。この動作をした時の感情は何だろう。と考えながら読んでいくといいでしょう。
先生のおススメは、こういう意味が解ると怖い話やミステリー小説がいいと思います。直接的な表現ではなく、間接的な表現で読者をだましてくるものこそ、練習にちょうどいいと思います。
皆さんも、秋の夜長にこういったものを読んで、読解力をつけていきましょう。